販売先の無い在庫を大量に保有していた老舗アパレルメーカーの買取事例【OEM生産品・PB生産品 約6万点 】
コロナ禍により、不振に拍車が掛かるアパレル市場
ミニマリズムが流行り、物を持たない人たちが出てきました。
ファストファッションやフリマアプリで安く売られる洋服に見慣れ、
欲しい服があってもセールが掛かるまで待つ人も。
娯楽が増えた事によりファッションにお金を掛けない人も多くなりました。
国内では賃金が上がらず可処分所得が増えない層が厚くなった事で、
そもそもファッションにお金を掛けられない、という人達も増えています。
そんな中での世界的な新型コロナウイルスの大流行。
あらゆる地域で工場は封鎖され、経済や物流は停滞化。
2020年の国内アパレル総小売市場規模は前年比81.9%の7兆5,158億円と
大幅な落ち込みになったそうです。
参考:国内アパレル市場に関する調査を実施(2021年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2807
以前からアパレル不振は囁かれていましたが、
コロナ禍で業界不振に拍車が掛かった形に。
加えて、長期化の様相を辿るロシアのウクライナ侵攻で
ますます増大する燃料・物流コスト。
業界を取り囲む環境はより一層厳しいものとなっています。
アパレル業界の明暗が加速する今出来ること
一方、環境の変化や消費者の意識の変容に対応し、
社員の意識改革や戦略転換を進めたり、
セール価格ではなくプロパー価格(正規価格・定価)でも売れるような商品を開発したり
EC化やオンラインでの対面販売、店舗の再設計、在庫管理の見直し …etc
コロナ禍で社会が停滞した時をチャンスとみて、
組織構造や経営改革を進め、アパレル不振の中で成長した企業もあります。
ではコロナウイルスの影響が薄れだした今から
組織構造の見直しや経営改革を進めるのはもう遅いのか?
答えはNOです。
むしろ社会経済が再び回り出した今だからこそ
見直せる事もまだあるのではないでしょうか。
そして見直せた企業と、問題を見過ごしてしまった企業とで
今後の明暗がますます分かれてくるようにも思えます。
老舗アパレルメーカーの買取事例
創業80年以上のアパレルメーカーが在庫買取処分を決めた背景には
先述したアパレル不振が要因にありました。
受注生産がアパレルの今のトレンドですが、
在庫をしっかり抱えて商売をする昔ながらのスタイル。
どちらが良いとは一概に言えませんが、
アパレル不振の現在だと在庫過多に陥りがちです。
自社生産のPB品だけでなく、大手のブランドのOEMも請けており、
両方の在庫を自社で大量に保有していたそうです。
特にOEM商品は自社で販売する先が無く処分に困っていたそうで、
抱えた在庫を現金化できたと喜んでいらっしゃいました。
買取商品 | 自社商品(PB)と他社から依頼されて生産したOEM商品 |
買取数量 | 約6万点(PB品4万点・OEM品2万点) |
買取金額(単価) | PB品:1点あたり200円 OEM品:1点あたり40円 |
相談開始から現金お渡しまでの期間 | 2週間 |
再販規制 | PB品:特になし OEM品:国内再販NG |
再販路先 | PB品:国内の小売店・卸売店へ OEM品:海外の小売店へ |
PB商品は国内にて再販可能だったのですが、
大手のブランドのOEM商品は国内販売が厳しく海外で販路を探すことに。
ブランド毀損を防ぐためにタグカットをする必要がありますが、
タグカットして輸出すると中古品の扱いとなり、
新品の場合と輸出書類(PL)が異なってきます。
※PLは“Packing List”の略で、日本語では「梱包明細書」と訳されます。
そのため、輸出して現地でタグカットの作業をしてもらうか、
タグカットなしでも市場に影響を与えない国で販路を確保します。
輸出の事務作業やタグカットの手間が増える分、
海外で再販する場合は買取単価が低くなってしまいますが、
そのままゴミとして廃棄してしまうより経営的にもスマートです。
諸事情で処分しづらい在庫、抱えていませんか?
余剰在庫・不良在庫の処分は消極的な面で見られがちですが、
負の財産となっていた在庫をキャッシュに替えて
次の商品開発や設備投資・人材育成に備えたり、
在庫管理の方法や処分サイクルを見直すことは、
経営改革の第一歩と言えるでしょう。
在庫の買取・処分を定期的にご相談いただく事も最近では増えてまいりました。
みなさまそれぞれに事情を抱えていらっしゃるようです。
在庫買取.jp は国内だけでなく国外にも販路がございます。
国内で処分するとブランド毀損のおそれがある在庫や、
市場価格に影響がある在庫、処分しづらい在庫を抱えて悩んでいるご担当者様、
商品価値のあるうちに在庫買取.jp までお気軽にお問い合わせください。
【著者紹介】 大林 洋
株式会社ワールドトレードジャパン代表取締役
大学を卒業後、アパレルネットショップを開店。
7年後、在庫問題に悩まされ、個人事業主として在庫処分業を始める。
2013年株式会社ワールドトレードジャパン設立。
その後年間約200社以上の企業の在庫買取に携わる。