【2019年】リサイクルショップの倒産が急増~在庫買取のプロの見解
リサイクルショップの倒産が急増しています。
帝国データバンクの調べでは、中古家電や日用品などを買取・販売するリサイクルショップの倒産が、2018年度は30件発生しました。
この数字は前年度(15件)の2倍となりました。
●https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190520-00010000-teikokudb-ind
私たちの生活では、既に「リサイクル」や「エコ」と言った環境への意識が定着しています。
3R(リデュース・リユース・リサイクル)に対するニーズの高まりもあり、リユース市場の成長を背景に近年急速に普及したリサイクルショップ。
帝国データバンクの企業データベースでも、リサイクルショップなど中古品小売業の最新期売上高合計は4000億円を突破しています。
それにも関わらず倒産が急増している背景には、従来「店頭買取」をメインとしたリサイクルショップや中古品取扱の事業環境が、フリマアプリの登場をはじめインターネットオークションの普及によって大きく変化しているため、との指摘もあります。
業界自体の売上高は増えているが、閉店が増えている。
倒産しているのは、なんでも買い取るような総合リサイクルです。
逆に、得意分野のあるリサイクル業者は伸びています。
リサイクルショップと在庫処分業者の違い ~メリット・デメリット
リサイクルショップと在庫処分業者の違いを簡単に解説します。
用途によって使い分けをしてみてください。
リサイクルショップ
■メリット
中古でも買取可能
■デメリット
新品商品の買取を依頼すると価格が異常に安い。(これは、店頭で中古も新品も販売するため、新品を新品としての価格で販売することができないため)
商売の特性上、数量が多い商品の買取が難しい
在庫処分業者
■デメリット
中古品の買取が場合によってはNG
■メリット
リサイクル業者に比べて販路が広いため、希望価格が通りやすい。
同じ商品が多くても少なくても買取可能
なぜ総合リサイクルがうまく行っていないのか?
総合リサイクルの低迷の一番の原因は、メルカリに代表されるCtoCフリマアプリの台頭、ネットオークションの普及です。
消費者間で容易に取引ができるため、リサイクルショップを介さずに売買取引が行われるようになりました。
価格もリサイクルショップに持ち込むよりも高額で販売できるケースがあるため、消費者のリサイクルショップ離れをより進める結果となっています。
ショップとしては、商品が個人売買されているため仕入れができない状態になっています。
ですが、得意分野があるリサイクル業者は伸びています。
つまり、消費者が付加価値を認めているリサイクルショップは売上を伸ばしているということになります。
結論としては、『なんでも買い取ります』と謳っていた総合リサイクルは、消費者から見て魅力が無く、自分で取引したほうがいいと思われてしまった。
消費者間でも売買取引が容易になっている現在の外部環境への配慮を怠っていたと言わざるを得ない状況です。
【著者紹介】 大林 洋
株式会社ワールドトレードジャパン代表取締役
大学を卒業後、アパレルネットショップを開店。
7年後、在庫問題に悩まされ、個人事業主として在庫処分業を始める。
2013年株式会社ワールドトレードジャパン設立。
その後年間約200社以上の企業の在庫買取に携わる。